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HOME > 漢方コラム > 中原先生の漢方コラム 「二味の薬徴 芍薬と甘草」
漢方コラム

二味の薬徴 その@ 芍薬と甘草:筋肉の痙攣や異常緊張をほぐす

第一期のシリーズでは、漢方薬を構成する生薬の組み合わせについて注目してみたいと思います。今回は芍薬と甘草です。芍薬はボタン科のシャクヤクの根を乾燥したもので、甘草はマメ科のカンゾウの根およびストロンを乾燥したものです。美しい貴婦人のことを「立てばシャクヤク座ればボタン」と言ったように、顔が美しく好ましい意味のしゃくやくは芍薬の花の名前だそうです。
芍薬と甘草の二味を含有する漢方薬の中で最も単純な構成である芍薬甘草湯は、こむら返りによく使われるポピュラーな漢方薬です。面白いことに単独では作用を呈し得ない濃度の芍薬と甘草を一緒に煎じると、強い鎮痛作用や鎮痙作用が現れることが報告されています。この相乗作用は芍薬甘草湯の神経筋シナプス遮断作用に基づくと考えられており、芍薬成分のペオニフロリンによるCa2+の制御と甘草成分のグリチルリチンによるK+の制御とのカップリングによるものであることが分かっています。この芍薬甘草湯の薬能について藤平健・小倉重成両先生は「両腹直筋の異常緊張、横紋平滑筋の異常緊張及び疼痛、四肢のひきつれを治す」とされています。芍薬甘草湯は殆どの証(漢方薬を決定するための症候)に有効で、証の異なる多くの漢方薬の構成生薬として配合されています。例えば、温経湯の少腹裏急 (下腹部の左右のしぶり腹)、きゅう帰膠艾湯の妊娠腹痛、当帰四逆湯の四肢厥冷(ししけつれい:四肢末端より冷えが上ってくる状態)、黄きん湯の腹拘攣(ふくこうれん:腹部がひきつって痙攣する状態)、桂枝湯類の身体疼痛(からだが疼き痛む状態)、桂枝加芍薬湯の腹満時痛(腹部が膨満して痛む状態)、小建中湯の腹中急痛(腹中のひきつれる状態)等に芍薬と甘草が効果を発揮しています。したがって、これらの漢方薬の両腹直筋や横紋平滑筋の異常緊張及び疼痛、四肢のひきつれに対する効果が弱い場合には芍薬甘草湯を併用すれば良いことになります。但し、湿邪や浮腫がある場合には症状を悪化させる可能性があり不適当です。



(文責:ハニュウ薬局上ノ室店  医学博士 中原 多美雄)

<参考文献>

「傷寒論の謎 -二味の薬徴-」 田畑隆一郎著  緑書房 (1992年)
「傷寒・金匱薬物事典」 伊田喜光総監修 根本幸夫 鳥居塚 和生監修 万来舎 (2006年)
「モノグラフ 漢方方剤の薬効・薬理」 丁宗鐵・鳥居塚 和生著 医歯薬出版株式会社 (2009年)
「月刊誌漢方研究 -生薬の薬効・薬理シリーズ-」 鳥居塚 和生著 小太郎漢方製薬発刊 (1997〜2007年)
「類聚方広義解説」 藤平健主講 藤門医林会編 創元社 (1999年)
「臨床応用 漢方處方解説」 矢數道明著 創元社 (1986年)

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